perfume bottle

PRODUCTS Special Library vol.1

アンティークパフュームボトルの世界

今回は、La Cienega(ラ・シエネガ)で扱っているパフュームボトルから、様々な製品を取り上げながら、アンティークパフュームボトルの世界をお届けいたします。

La Cienega(ラ・シエネガ)へご来店されたとき、「香り」の思い出から一瓶を見つける人、「瓶のデザイン・ガラス細工」に魅了されて一瓶を見つける人それぞれです。一人一人に出会いのストーリーがあるのは「アンティークパフュームボトル」の魅力です。「アンティーク・ヴィンテージ」との出会いの最初が「香水瓶」という方もいます。そこでここでは『アンティークパフュームボトル』の魅力や、当店に並ぶまでの経緯などについて、深く書いてみることにしました。
この記事をきっかけに『アンティークパフュームボトル』に興味を持っていただけたら嬉しいです。
そして、当店にご来店いただければ、たくさんの昔懐かしい・珍しい希少なパフュームボトルに出会うことができます。

パフュームボトル群
パフュームボトル群

01:アンティークパフュームボトルとの出会い

パフュームボトルがLa Cienega(ラ・シエネガ)に並ぶようになったのは、今から10年以上前、世界中のアンティークマーケット・フリーマーケット・プロカントなどを歩く中で、ある日偶然出会った「コティ(coty)の香水用のディスプレイケース(キャビネット)」に一目惚れをして購入したのがはじまりです。La Cienega(ラ・シエネガ)での、アンティークパフュームボトルの取り扱いは、香水瓶との出会いから始まったわけではなく、一つのディスプレイケースから始まりました。シャンデリア・照明器具を専門に扱う中で、それまでパフュームボトルは扱っていませんでした。

偶然に出会った、
コティ(coty)の香水用のディスプレイケース

数十年前にアンティークバイヤーになり、海外で買い付けをしていると、目的としていたものに出会えることはなく、だいたいは見つかりません。なので、常に面白そうなものがないかなという感じで、歩くことも多いのですが、この日も同じで、買い付け目的は別のものでした。
ディスプレイケースは、デパートなどで香水を並べるために作られたものなので、一般的に売られていません。生産されている数もとても少なく、世界でも数十台しかない品物なので、こうやって出てくることはほとんどなく、今まで見たことがありませんでした。

その時、「この中にパフュームボトルをたくさん入れろ」という声が、どこからともなく聞こえた気がします。
シャンデリア・照明器具を専門として扱っていますが、新しいジャンルを増やすというのはとても大変なことですが、今回のような出会いがそれを後押しすることが多いです。
これが、La Cienega(ラ・シエネガ)でパフュームボトルを扱うに至ったきっかけです。最初は、このディスプレイケースをパフュームボトルで埋めることしか考えていませんでした。

ディスプレイケース・ディーラーとの出会い

そしてその時、たまたまそのディーラーが何個かパフュームボトルを持っていて、その中にあったのが、学生の時、モード雑誌の中で見て憧れていた「Jean Patou JOY(ジャンパトゥー)」。
これが今も続く、パフュームボトルコレクションのはじまりです。

02:古いパフュームボトルの魅力

香水瓶は、小さなものから大きなものまでいろんなサイズがあって、その容量によって値段も変わります。とくに私たちは「ミニチュアボトル」が好きで、なかでも1970年〜1980年代のミニチュアボトルをLa Cienega(ラ・シエネガ)では多く取り揃えています。それは、一番いろんなデザインのパフュームボトルが作られた時代だからです。

いろんなデザインが作られた時代の
パフュームボトル

香水(パフューム)の歴史をかんたんに。
今は香水瓶に入った香水を購入するのが当たり前ですが、香水瓶がたくさん作られた1870年代以前は、香水を作っているメーカーも数えるほどしかなく、量り売りで香水を購入することが主流でした。その時はマイ香水瓶のようなものを持っていき、それに香水を入れてもらうという時代です。今、そのマイ香水瓶に当たるパフュームボトルを追い求めると、美術館に展示されているようなものになります。

パフュームボトルの黎明期

ちなみに、香水そのものはかなり以前からありましたが、限られた人のみが手にできるもので、一般の人が手に入れることはできないものでした。それも1900年代に入ると、今のようにあらかじめ香水瓶に入った状態で、香水が販売される方法が出始めてきます。これをどこが最初にしたのかにはいろいろな説があり、その一つが上でも取り上げた「コティ(coty)」と言われているので、アンティークパフュームボトルを語る上で「コティ(coty)」は外せないブランドになります。
今でも、人気の高い香水のブランドです。

話は戻って、1970年〜1980年代は香水に限らず、様々な分野で多くの製品が出てきた時代でもありました。
当店のredrock(レッドロック)で扱っているモダンな照明器具もその一つです。そしてこの頃、多くの香水メーカーが出てきたことで、各社香水を売るために戦略を考えました。その一つが「ミニチュアボトル」です。
「ミニチュアボトル」は、各社の売れ筋の香水を小さなミニチュアサイズのボトルに入れ5〜6個セットにして売っていました。ちょうどその頃日本はバブルの頃で、多くの日本人が憧れの海外旅行のお土産に「duty free」で香水を買って帰るというのが、その時代の流行の一つにもなっていたくらいです。この頃、世界中に香水が広がっていった時代にもなります。

コンソールにディスプレイされたパフュームボトル
コンソールにディスプレイされたパフュームボトル

インテリアの一つとして楽しむ

今までは憧れだったブランドの香水も、小さく値段も手頃になったことから、多くの人が手に入れられるようになりました。
そして使い方も豊かになり、トイレや部屋の片隅に飾るなど、インテリア雑貨として楽しまれるようになります。香水瓶をインテリアとして楽しむことができるのも、アンティーク・ヴィンテージパフュームボトルの魅力です。
また、昔を思い出すように思い出の香水瓶を見つけられるのも、アンティーク・ヴィンテージパフュームボトルの魅力です。当店には、懐かしがってアンティーク・ヴィンテージのパフュームボトルを購入される方も多いです。「ミニチュアボトル」をはじめ、パフュームボトルは廃盤になることも多いですので、人それぞれの楽しみ方があります。

03:王道の”アンティーク”パフュームボトル

上でも触れた通り、香水がボトルに入った状態で販売されるようになったのは、今から120年くらい前で「フランソア コティ(François Coty)」によって確立されたと言われています。高級感のある香水瓶に入れ、買いやすい値段で販売したことから、最初の香水ブームが起こりました。そして、そのボトルを作っていたのが、ガラス工芸家として有名なフランスの「ルネ・ラリック(René Lalique)」です。その頃のパフュームボトルは、熟練の職人が手作業で作っていてとにかく美しく芸術品です。当店では、この頃のパフュームボトルが『王道のアンティークパフュームボトル』だと考えています。

ガラス工芸家として有名な
フランスの「ルネ・ラリック(René Lalique)」

なので上で触れた「ミニチュアボトル」は、”王道の”アンティークパフュームボトル”ではない”のですが、古いパフュームボトルに興味を持っていいただきたいということも含めた幅広い意味で、「アンティーク パフュームボトル」として当店では扱っています。古いパフュームボトルは、芸術品のように美しく魅了されます。
そして、アンティークパフュームボトルの95%はフランス製です。フランスの伝統工芸として、アンティークパフュームボトルを楽しむのもおすすめです。同じデザインでも、素材が違ってプラスチック製のものは90年代以降に作られたものです。せっかく手に取るなら、フランス製のガラスで作られたアンティークパフュームボトルも良いと思います。

04:運命の一瓶

何十年もバイヤーをしていると、上で取り上げたコティ(coty)の香水用のディスプレイケースのような珍しいレアな物と出会えるチャンスに恵まれることもありますが、なぜか探しても探しても、まったく出会うことができない物もあります。私たちにとってそれは「シャリマー(SHALIMAR)」の「ファクティス(FACTICE)」でした。
ちなみに「ファクティス(FACTICE)」とは、百貨店などたくさんのブランドが並ぶ中で、特に目立つように大きく作られたディスプレイ用のボトルのことを言います。非売品なので、とてもレアです。

シャリマーのファクティス

日本では、シャネル(CHANEL)の方が有名で人気が高いですが、欧米では香水といったら「ゲラン(Guerlain)」の方が人気が高くメジャーです。海外で買い付けをしているので、何としても出会いたいということで、ディーラーに会うたびに持っていないかと聞いても全く出会えませんでした。
その時はパリに買い付けに行った時ですが、あるディーラーから週末に地元の小さなオークションハウスで香水がたくさん出るらしいということを聞きつけて、行くことにしました。そこでついにそれと出会い、気がついたらなぜか予算の倍の値段で落札していました。
これが運命の一瓶です。当店で直接見ることができます。世界中探してもなかなか見つけることのできない、超レアなファクティスが来てくれました。

05:思い出のパフュームボトル

バイヤーの平田が初めて香水を見たのは、子供の頃一緒に住んでいた祖母の鏡台の上にあったCHANELの「No19」です。
手にとって、匂いを嗅いでみるととても臭かった記憶があります。5歳・6歳頃かな...。それから10年後、祖母が死に、形見分けで何故かその香水をもらうことになりました。匂いを嗅ぐと祖母の匂いがした。
今でもそのパフュームボトルは、家のリビングの棚にひっそり置いています。今、祖母との思い出はどんどん褪せてしまったけど、CHANELの「No19」の匂いがすると、強烈に祖母が蘇ってきます。

CHANELの「No19」

La Cienega(ラ・シエネガ)に並んでいるパフュームボトルには、そのまま中身の入ったものがあります。中身の使用についてはおすすめしていませんが、廃盤になってしまったものなどもあるため、昔懐かしい匂いをたどった先で、一瓶に出会うというのも、パフュームボトルと出会う縁の一つです。
インターネットでは「匂い」を届けることができないため、都内近郊にお住いの方は、ぜひLa Cienega(ラ・シエネガ)にお越しくださいませ。

06:アンティークパフュームボトルの選び方・デザイン

香水には、トレンドがあります。
そして、香水瓶も同じで、時代の流れと共にデザインが変わっていき、その時々の人が求めている思考や、流行が感じられ、どの時代のパフュームボトルをみても飽きません。特に70年〜80年代は、世界的に物がよく売れた時代だったので、新しいデザインの服やプロダクトデザインも大量に生み出され、消費され、デザインに勢いのある時代でした。デザイナーになりたい!というパッションにも満ち溢れて、挑戦的な製品がたくさんあったワクワクした時代です。

ワクワクした時代のデザイン

そういった時代背景から、1970年〜1980年代の年自己主張の強いPOPなデザインが好きなので、どの時代のパフュームボトルも好きですが、特にその頃のパフュームボトルが多く揃っています。

ファッションとして楽しむ

アンティークパフュームボトルは、人それぞれの選び方で楽しめます。
例えば、種類・デザインも豊富で集め出すときりがありません。つい気づいたら、たくさんのアンティークパフュームボトルを集めてしまっているというコレクティブな要素もあり、調べれば調べるほどその時代の流行などを知ることもできて楽しいです。当店でメインで扱っているアンティークシャンデリアとは違い、パフュームボトルを通して時代や流行に触れることができるのは、アンティークパフュームボトルの楽しさであり、選び方の一つです。

また、著名人に愛されたパフュームボトル。
例えば、有名なものにマリリン・モンローのCHANEL「No5」や、オードリー・ヘップバーンのGivenchy「ランテルディ」など、そういった視点でアンティークのパフュームボトルを手にとってみても面白いと思います。当店では、ゆっくりと一つ一つのパフュームボトルを手にとることができますので、あらかじめ数点見たいものを見つけお越しいただければ、それぞれの瓶について詳しくご説明させていただくことも可能です。

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